研ぎ屋の製作日誌 9
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2008年7月 ペット用バリカンの研ぎ・・・
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(依頼)
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生産中止になってメンテナンス出来ないペット用バリカンを研いで欲しい。
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(研ぎ)
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人間の毛よりだいぶ細い毛を切るペット用バリカンは・・人間用で研ぐと
ペットの毛を噛んでしまうので、依頼者にペットの毛も一緒に送ってもらい・・
そのペットの毛に合ったシャープなバリカンの研ぎを施した。
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2008年7月 形見のナイフと包丁を直したい・・・
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(依頼)
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奈良の女性から・・父の形見のナイフと包丁を直して欲しい。
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(制作)
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預かったナイフ2本と包丁は、共に昭和初期のモノでハガネの鍛えが良く
切れる・・が、ナイフは研ぎ減り折り畳んでも刃が納まらないし錆びも酷い。
包丁は、柄が腐り折れていた。
ナイフはバラシテ調整スプリングを強め、本体の回転部を削り刃がグリップ
に納まる様にして全体を研ぎ上げた。折れた包丁は、柄を溶接し出来る限
り思い入れの有る元の部品を活用し研ぎ上げた。
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2008年6月 制作途中で亡くなった友人のナイフを完成させたい・・・
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(依頼)
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亡くなった友人の制作途中のナイフを完成させ、その息子が成長したら
渡してボーイスカウトなどで使える様にして欲しい。
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(制作)
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志し半ばで亡くなった親父が息子の為に、男の道具としてのナイフを渡
す・・・気持ちでナイフを完成させた。左利き・片刃のシャープな研ぎ
はキャンプで山女などを料理するのに適した創りだ・・柄にシンプルに
鹿角だけで創り、シースの内側にヌメ革を貼りナイフを保護し・・息子
へのナイフを完成させた。
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2008年6月 畳屋の包丁・・・
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(再会)
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今月の柏の骨董市で見つけた畳包丁・・私が幼い頃・・家の畳替えの時、
畳職人があの部厚い畳をスパスパ切っていたのがこの畳包丁だ。
あの時の畳包丁の切れ味の良さを観て・・私が刃物の魅力に引き込まれ
た瞬間だった。あれから50数年・・何本かは所持するもこれだけ大量に
再会する事は無かった。
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(研ぎ)
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全鋼で出来た畳包丁は、姿がある限り刃は切れる。現場で使った雰囲気
を壊さない位の錆びを落し研ぎを入れ大事に保管して置き、たまには取
り出して畳を一刀で切る鋼道具のすばらしさを後世に伝えたい・・・。
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2008年6月 折れ刀を猟師刃に・・・
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(依頼)
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茨城の猟師から 折れ刀で猟師刃創って欲しい・・
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(制作)
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今回の折れ刀は切っ先で無いので刃先を上げる事が出来ない。ハガネの
有る6mmぐらい刃先を上げたポイントへ 峰からのラインをつなげ冠
落し風にしてナイフらしい機能的なデザインにして、外装は余っていた
刀の鞘を切ってシンプルに実用性の高い創りにした。
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2008年5月 骨董市で見つけた切っ先刀をナイフに・・・
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(依頼)
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今年のボロ市で切り出しを御買上げの顧客から・・骨董市で錆びた切っ先
刀を手に入れたので、これでナイフを創って欲しい。
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(制作)
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切っ先を使ったナイフ創りは、そのままだとバランスが悪く観てくれも良く
ないので、シノギ部を削り冠落し造りにして変化を持たせ、グリップに鹿角
を使い鍛造口金を付けボリュウムを持たせ、革を貼り合わせ両面表革に成る
錆び難い鞘を創り・・ハンターナイフの完成だ。
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Copyright © 2005 研ぎ屋
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