研ぎ屋の製作日誌 3
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2006年8月 千葉県の常連客から古道具の再生依頼
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(依頼)
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骨董市で見つけた古刃物を使える様にして欲しい。
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(製作)
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明治2年と彫ってある桑切り包丁で、厚さ3mmのしっかりした
創りでおそらく玉鋼の鍛造物だ。古材で柄と鞘を作り原型と時代
を壊さぬ様に砥ぎ上げたが、想像通りすばらしい切味が復活した。
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2006年7月 千葉県の常連客からの佐治ウメガイの改創依頼。
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(依頼)
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佐治さんのウメガイを買ったのだが、使い難いので改創したいのと、
せっかく袋槍風になってるのでそこに刺せる杖とクサビも創って
欲しい。
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(製作)
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グリップから刃先へのラインを整え手にバリが当たらない様に削り、
刃の全体も砥ぎ直した・・・ら、なんと板目模様が浮き出て来た。
柄に刺す杖は私が10年位前に長野の山で切ったブナの杖を皮付きの
まま使い、目釘は古物の道具箱から見つけて合わせた。
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2006年6月 浦和の骨董市に来る洋裁屋さんから・・
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(依頼)
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裁ちバサミの研ぎで、刃を絹生地裁断用に研ぎ直して欲しい。
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(製作)
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極細の絹糸の生地が裁断時に引き攣らぬ様に、通常の裁ちバサミより
3度ぐらい鋭角に刃付けをして、仕上げも刺身包丁用の5000番の砥石を使う。
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2006年5月 浦和骨董市の常連客から
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(依頼)
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家に在った斧に柄を付けて欲しい。
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(製作)
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古い斧で付け根がかなり大きく市販の柄では細すぎて合わないので、
ツルハシ用の太いヤツを削って斧に合わせた。
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2006年5月 笠間の骨董市で常連の猟師から
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(依頼)
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以前ここで買った特製ハイス鋼の片刃ハンターナイフが使い
良かったので、今度は両刃のハンターナイフを創って欲しい。
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(製作)
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素材はハイス鋼SKH51でロッケル硬度63、通常の炭素鋼より硬く
粘りが有り自分のキャンプナイフにも使っているお気に入りの素材
で厚さ7mm長さ230mm幅25mmのハイス鋼から削り出す。
構造は虚飾を廃し機能とメンテナンス重視・・表面を槌目・刃は
ヘアーラインで研ぎ直す事を前提とした仕上げにしてある。
鞘は4mmのヌメ皮の表を内側に使い表側にした裏皮に樹脂塗料を塗り
込んで野外での湿気対策をした。
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2006年4月 おじいちゃんの鉈を復活
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(依頼)
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おじいちゃんの使っていた鉈を直してキャンプで使いたい。
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(製作)
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おじいさんの思い出がいっぱいの鉈のイメージを壊さない様に、
叩かれて凹んだ峰を直し、欠けた刃を研ぎ直し、割れた柄をブナ
の自然木(私が10年前に田舎の森で切って来たモノ)を皮付きの
まま使用、腰に下げキャンプで動き易い様に皮の鞘にした。
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2006年4月 洋包丁の腐った柄の付け替え
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(依頼)
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大事にしてる洋包丁の柄が腐ってしまったので、使える様に直して
欲しい。・・・この宅配の荷を開けたら驚いた・・洋包丁に刺身包
丁用の白木の柄が無理やり無様に刺してあった・・・。
顧客に聞くと、流しの研ぎ屋に柄を付けて貰ったらこうなった。
との事、酷い仕事だ、共柄のグリップを細く削って事も在ろうに
洋包丁に和包丁の柄を刺してあったのだ。
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(製作)
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腐った細い柄を取り去り、新たに鉄板を溶接し共柄のカタチを創り、
丈夫な欅で握りを挟んでグリップを削り出し・・・基の美しい洋包
丁の完成だ。
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Copyright © 2005 研ぎ屋
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