研ぎ屋の製作日誌 2
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2006年4月 古刃物を生かす その2
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(動機)
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九州から骨董市に出ていた骨董屋が持っていたのが今回の竹割で、
切れそうだなーっと見ていたら「正国」と彫ってある・・・
同田貫だ・・ただし柄も付いていなかったが即購入。
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(製作)
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荒研ぎしかしてない刃先を仕上げ、使いやすい様に樫で曲がった柄を付け、
サイズがたまたま合った戦前の計算尺の革ケースにホルダーを付け鞘にした。
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2006年3月 古刃物を生かす
浦和の骨董市に出ている仲間のオジサンから錆びた出刃を貰った。
良く観ると、「正本」と彫ってある。錆びてチビッテルがプロ用の出刃だ。
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(動機)
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捨てるのは勿体無いし、出刃に戻すのは芸が無い・・・
刃が分厚いからキャンプナイフに改造してみるか・・・。
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(製作)
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完全片刃の包丁のままでは木は削れないので、先を両刃・元を鈍
角の片刃に研ぎ直し、赤樫に鍛造の口金を付け目釘も付けた。バ
ランスを取る為グリップエンドに12mmのボルトを埋め込んで、
刃渡り15cmのキャンプナイフの完成だ。
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2006年2月 正月に御買上げの竹割りの顧客から刃先のリファインと鞘作りの依頼
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(注文)
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刃の長さ24cmを22cmにして峰も少し削り軽くして欲しい、
ついでに木の鞘も造ってちょうだい。
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(製作)
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刃先と峰をいじったついでに峰を刀の峰の様に三角にして、
切っ先も少し鋭角にした。
鞘は刃を傷めない栓の木で造る。
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2006年1月 1月のボロ市で以前から改造している三木の長尾氏の肥後守の改造研ぎ直しの依頼
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(注文)
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狩猟用肥後守のリファインをお願いしたい。
切っ先をトンガリにして、グリップを握りやすくして欲しい。
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(製作)
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市販の肥後守は実用一辺倒で各部の仕上げは・・粗い。
鞘とブレードのカタチを整えバリを無くし、鞘に刃を守る硬質ゴムを仕込み、
ブレードの研ぎ傷を無くし、鞘にサムホール(手に合った凹み)の仕上げ。
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2005年12月 世田谷ボロ市の準備
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(作業)
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毎年恒例の「世田谷ボロ市」(12月15・16日と1月15・16日)用
商品の選定とメンテナンス・リニューアル。
古い刃物の仕上げ研ぎと鞘の製作など買われたお客さんが即使える状態で
ボロ市に陳列出来るように顧客の顔を思い浮かべながらの作業です。
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2005年11月 富岡八幡の骨董市の顧客からの依頼
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(注文)
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昔の電工ナイフのリニューアルをお願いしたい。
センターピンのガタ直しと全体を洗練されたカタチにして欲しい。
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(製作)
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昭和初期に造られた電工ナイフは頑丈さだけが売りで、
各部の面取りやブレードのカタチも無骨だ。
まずブレードの先端の加工とピンの修整でカタチと動きを良くし、
グリップは依頼者が好きな藤本ナイフの様に丸みの有る手に馴染む
カタチにした。
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2005年10月 研ぎ屋のホームページを見て・・・獣医さんからハサミ研ぎの依頼
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(注文)
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トリミング用のハサミをプロ用の鋭い切れ味に研いで欲しい。
また、ガタが出たハサミの中央のネジを直して欲しい。
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(研ぎと調整)
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機械研ぎして甘くなってた刃先を手研ぎで鋭く研ぎ治し、
上下の刃先を合わせ先端の切れ味を回復させる。
また、ガタのでたネジ部には銅のスペーサーを噛ませ隙間調整して
ガタを無くし動きを良くした。
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2005年10月 館林尾曳稲荷骨董市でお昼のお弁当を創ってくれる割烹料理店からの依頼
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(注文)
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新聞紙に巻いた30cmの出刃包丁の刃欠け直しと全体の修正
・壊れた柄の付け替えとコイツの鞘を創って欲しい。
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(製作)
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30cmの重い出刃に対して従来の白木柄では弱い為、特注のローズウッド
の柄を創り、中央の1.5mmの刃欠けを直し、峰の傷直しと共に全体の
バランス取りも行う。
大きすぎて持ち運びに危険を伴っていたので、これもひ弱な従来の白木で無く、
古茶箱の杉板を使い頑丈な鞘を創った。
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Copyright © 2005 研ぎ屋
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